健康食品が原因かもしれない健康被害の報告を受けたら(専門職向け)
多くの人が健康食品を利用するようになり、健康食品が原因かもしれないと疑われる健康被害が報告されるようになって来ました。被害の拡大を防ぐためには、信頼性の高い健康被害情報を効率的に収集することが重要です。医療や食に関する専門職の皆様が、そのような報告を受けた際には、是非、下記のような対応をお願いします。
○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○
目次
1.健康食品の摂取による、体調不良を報告されたら
2.因果関係の評価方法
3.保健所への報告方法
4.お薬の服用者には特に注意してください
○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○/////○
1.健康食品の摂取による、体調不良を報告されたら
①まず利用者の話を聞いてください。
②「2.因果関係の評価方法」に示した方法で因果関係を評価してください。
③因果関係評価で“可能性がより強くある”以上の場合、または健康被害の重篤度のチェックで“軽度な健康被害と考えられるもの(医療機関で治療を要した)”以上の場合は、お近くの保健所に報告してください。
2.因果関係の評価方法
医薬品と違い、健康食品と健康被害の因果関係を明確にするのは、非常に困難です。「因果関係が分からないから」という理由でそのままにされてしまった被害情報の中に、同様の事例がいくつも存在する可能性があります。そこで、健康食品に適した有害事象の因果関係評価法が考案されています (図1) 。健康被害の報告を受けた際には、是非、ご利用ください。
3.保健所への報告方法
因果関係の評価結果が「可能性がより強くある」「確からしい」「非常に確からしい」であった場合には、健康食品に関する健康被害受付処理票 (図2) を参考に、お近くの保健所へ報告してください。詳細は、厚生労働省「健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領について」をご参照ください。
4.お薬の服用者には特に注意してください
健康食品の利用者の中には、医薬品を服用している方が多く、「怒られるから」「聞かれないから」などの理由でその利用を医療従事者等に伝えない方がいらっしゃいます。健康食品とお薬との相互作用については、わかっていないことの方が多いため、思わぬ健康被害を未然に防止する、あるいは、早期に把握するためにも、積極的に健康食品の利用の有無について、尋ねるようにしてください。